久しぶりの、外出。

そう。今日が祖父母の命日。

5月23日。

毎年この日は、お店は朝から閉める。

近所の人も知っている。

暗黙の了解。


すっきり晴れた空に筋状の雲。まっすぐ、上に伸びている。

飛行機雲。明日は、雨が降るのか・・・。


電車に乗った。

2両編成の電車には、平日だからか人も、まばらだ。

下りの電車を利用する人は限られている。

買い物袋を抱えたおばあちゃん。

学校帰りの学生。

母親と電車に乗り、窓の外を覗く女の子。


時計は、丁度2時を指している。

田舎の単線。

一時間に一本。

駅には、駅員さんはいない。

都会の電車とは違い、スピードもゆっくりだ。

めまぐるしい都会の雰囲気とは違い、時間のスピードが違う。

何もかもが、ゆっくり流れる。

時間に縛られる都会。

自然環境に縛られる田舎。

違いは歴然。

しかし、無いものねだりの人々は、都会に夢を抱き上京する。

都会では、田舎の環境に理想を抱え、暮らしを移す。


いつの間にか、周りの風景も、田んぼや畑から、山の景色に変わり、木々が
茂ってきた。青々としている、葉がまぶしい。


到着したホームに、駅員さんはいない。

ここは未だに、木造の駅舎だ。

最近、設備も都会並みになったらしい。

かなり、ミスマッチな雰囲気になっている。

自動改札に変わり、特定のカードを翳すだけで、通ることができるようになった。

時代は変化している。