そうして彼と私は始まり、彼は仕事後に度々家にやって来るようになった。私はその秋にバイトをやめ、資格の為の勉強を始めた。
多い時には週に五日、少ない時は週二日といったペースで彼と私は会った。月に五回はデートをしたし、そのうち二回は少し遠出した。
それは私にとって夢見ていた理想的なカップルの生活であった。
私はデートスポットのほとんどを彼との思い出だけ重ねて過ごしたし、私の二十一歳の誕生日には夢だったディズニーランドへも連れていってくれた。
それは彼がデートや理想的な恋愛をこれまで数多くしてきたのであろう事も私にわからせたが、彼にとってのそういった場所に私の思い出が重ねられてゆく事はひどく心地よい喜びだった。

私が資格の試験に合格した時に彼は喜び、彼の祖父が亡くなった時に私は悲しんだ。