ひしゃげたトラックの辺りで、立ち上がる気配。

見れば、まだ修内太が動いている!

「もうやめなさい修内太!」

見ていられなくて叫んでしまった。

「いくら『狂化』してても限界よ!それ以上やったら『狂化』が解けた時の反動で、貴方廃人になるわよ!」

「うる…せぇ…」

私の言う事に耳を貸さず、修内太は足を引きずるようにして前に出る。

もうまともに動けていないというのに。

「…っ…」

歯噛みする。

修内太は死ぬまで戦いをやめないつもりなのだろうか。

と。

「!?」

突然武羅人が動いた!

彼は、まだこれほどの余力を残していたのかと思えるほどのスピードで修内太との間合いを詰めると。

「がはっ!」

彼の鳩尾に一撃!

…その一撃を以って、修内太はついに気絶した。

「お前の出番は終わりだ…ゆっくり休め」