声さえ上げられない。

修内太の体は、まるで人形のように吹き飛ばされた。

何度も地面に衝突してはボールのようにバウンドし、PA内に打ち捨てられていたトラックに叩きつけられてようやく止まる。

「っ…つぅうぅ…っ…」

ガクリと膝をつく武羅人。

流石にこの殴り合いは堪えたらしい。

しかしキョロキョロと辺りを見回し。

「お…あったあった…」

千切れ飛んだ自分の右腕を探し出し、再び繋げ直す余裕さえ見せていた。

信じられない化け物だ。

アイツの肉体は一体どうなってるの?

亜吸血種は、その祖先…吸血鬼の身体能力をも大きく上回っているのかもしれない。

「…ちっ…再生能力が弱まってるな…」

腕を繋ぎ直したものの、すぐには動くようにはならない。

舌打ちする武羅人。

そんな彼に。

「まだ…まだぁ…っ」