骨折に、打撲に、内出血に、裂傷に…。

およそ殴り合いで受けたとは思えない、重機にでも叩き潰されたのではないかという重傷の修内太。

武羅人はそんな彼をゴミのように投げ捨てた。

「ま、こいつもなかなか頑張ったけどな…俺の喧嘩相手にはちょっと足りない。何せ魔術が使えても人間だからな」

「……」

私は青ざめていた。

何て事をしたの…。

何て事をしてくれたの!!

全身がワナワナと震えた。

「武羅人…貴方生きて帰れないわよ…?」

「ほぅ…?」

赤い眼のまま、武羅人が目を細めた。

「そんなにこの小僧を半殺しにされたのが気に入らないか?」

「ええ…それもあるけど」

私はチラリと、倒れたままの修内太を見た。

「どうせなら、半殺しより息の根を止めた方がよかったかもね」