そもそも狭いトラックの幌の上だ。

逃げ回る事自体容易じゃない。

早く援護に向かわないと…!

私は飛行速度をあげて、修内太達のいるトラックを追跡する。

高速道路を走行する他の車の搭乗者が、空を飛ぶ私の姿を見て驚愕している。

ああもう!

目立つのは嫌いなのに!

心の中で毒づきながら、目的のトラック…武羅人の背後にまで接近する!

しかし。

「男同士の勝負に邪魔なんて野暮だぜ?」

振り向きもせず、それでも鋭敏な感覚だけで、武羅人は私が接近してきているのを察知していた。

不意打ちのバックハンドブローで私を殴りつける!

「きゃあっ!」

いくら障壁を張っているとはいえ、堕蓮持ちの一撃。

私は体勢を崩して道路上に落下、その上。

「がはっ!」

後続車に撥ねられた!