忘れちゃならないのが吸血鬼。

魔女に匹敵する高い魔力と、変化の能力、何より人の生き血を啜り、闇夜を翔ける不死の存在。

ま、不死なんて言うけど生前の信仰心のせいで十字架や聖水を嫌ったり、太陽浴びると死んじゃったり、案外弱点だらけだったりする。

「魔女なんて吸血鬼の使いっ走りだろ?」なんてほざいた奴が昔いたわね。

私の使いっ走りにしてやったけど。





そんな弱点の中のひとつ、『太陽』を克服した吸血鬼が、この国には存在するらしい。

祓魔師…異端者殲滅専門職、エクソシストに追われて棲みついた土地で、独自の進化を遂げた、日の光を浴びても平気な吸血鬼、『亜吸血種』。

今日はその中の一人と遭遇した時の話をしましょうか。





あー…思い出しても気が滅入るわ…あの時の事は…。