あなたは頭からも、腕からも、足からも、お腹からも、血が溢れてた。



右足も普段なら有り得ない方向に曲がってる…。





眠ってるように瞼を閉じている頭を抱きかかえて…あなたの名前を呼び続けた。





このまま目を開けないんじゃないかと思うと…


怖くて


「…やだ……」


寂しくて


「いや、だよ…」


悲しくて


「目、開けてよぉ…っ」




……勝手に涙が溢れだした。



「やだよ…。お願い…、目を開けてよぉ…!!」




涙声になっても必死に名前を呼び続けてたら―…





あなたが、目を覚ました。




でも…あなたの口が微かに動いてるのに、声になってなくて。



体を動かす事も出来ないみたいで…あなたは苦しそうに微かに声を漏らした。





そんなあなたに…私は、ただ名前を呼ぶ事しか出来なかった。