その光景に私は悲鳴をあげる事も出来なくて…ただ、目を見開いて見つめる事しか出来なかった。





でも…何が起きたのか、分からなかくて。



誰が道路に飛び出して来て…。




誰が、その道路に飛び出して来て誰かの所に車で突っ込んで…。





誰が、車に吹き飛ばされそうだった誰をかばって吹き飛ばされたのか―…。




私の頭は…真っ白になってた。



でも周りで騒ぎだした人だかりの声と、近くで泣き叫ぶ子供の声で私の頭はようやく理解した。




―…あなたが、吹き飛ばされた。




何が起きたか理解した途端に体が震えた。



それでも無理矢理、体を動かして…




吹き飛ばされたあなたの元に駆けていく。