季節とぶけど、受験シーズン。
おじさんが渋々もらった願書も出したし、明後日はいよいよ試験なのだ。
だから今から新幹線で大阪行きます!
「気をつけてね」
あや乃が言った。
「大丈夫だって!」
そう言って、新幹線は走り出した。
えっと、大阪駅に着きました。
「まずはホテル…」
ドンッ
「痛っ」
女の人とぶつかってしまった。
「いてて…」
ぶつかったはずみに相手は転んでしまった。
「すいません!」
あたしはその女の人を見た瞬間、息をのんだ。
少し癖のある茶色に染めた髪
折れそうなぐらい細い腕
幼さの残る顔―――。
「大丈夫ですか!?」
「あはは…かっこ悪いなあ、うち」
あたしが手をのばすと、その人は照れ笑いしながらあたしの手をとって立ち上がった。
「あんた、高校生?
この辺じゃ見かけん制服やなあ」
「はい。今日大学の試験で」
「どこの大学受けるん?」
「若葉大学です」
「うちと同じやん!何科!?」
「普通科です」
「残念やなあ。
うち保育科やねん」
「保育科…」
「そうや。
うちこれでも、保育士が夢やねん」
「そうなんですか」
「あ、これうちの名刺」
その人は名刺を差し出した。
「バイトの名刺でな。
“姫香”って名前でやってんねん」
“姫香”って名前の下には
“CLUB CHERRY”
「クラブ…」
「そや!キャバやよ♪」
「じゃあagehaなんですか?」
「そう!これも柄ちゃうけど。
もしバイトに困ってたら来てぇや?
頼りがいのある先輩よーさんおるで!
結構儲かるしな!
あ、そや。
あんたの名前なん?
うちは佐々木愛っちゅーねん」
「広田鮎佳です」
「ほな、あゆちゃんな!
待っとるからな!」
そういい残して愛さんはどっかに行ってしまった。
おじさんが渋々もらった願書も出したし、明後日はいよいよ試験なのだ。
だから今から新幹線で大阪行きます!
「気をつけてね」
あや乃が言った。
「大丈夫だって!」
そう言って、新幹線は走り出した。
えっと、大阪駅に着きました。
「まずはホテル…」
ドンッ
「痛っ」
女の人とぶつかってしまった。
「いてて…」
ぶつかったはずみに相手は転んでしまった。
「すいません!」
あたしはその女の人を見た瞬間、息をのんだ。
少し癖のある茶色に染めた髪
折れそうなぐらい細い腕
幼さの残る顔―――。
「大丈夫ですか!?」
「あはは…かっこ悪いなあ、うち」
あたしが手をのばすと、その人は照れ笑いしながらあたしの手をとって立ち上がった。
「あんた、高校生?
この辺じゃ見かけん制服やなあ」
「はい。今日大学の試験で」
「どこの大学受けるん?」
「若葉大学です」
「うちと同じやん!何科!?」
「普通科です」
「残念やなあ。
うち保育科やねん」
「保育科…」
「そうや。
うちこれでも、保育士が夢やねん」
「そうなんですか」
「あ、これうちの名刺」
その人は名刺を差し出した。
「バイトの名刺でな。
“姫香”って名前でやってんねん」
“姫香”って名前の下には
“CLUB CHERRY”
「クラブ…」
「そや!キャバやよ♪」
「じゃあagehaなんですか?」
「そう!これも柄ちゃうけど。
もしバイトに困ってたら来てぇや?
頼りがいのある先輩よーさんおるで!
結構儲かるしな!
あ、そや。
あんたの名前なん?
うちは佐々木愛っちゅーねん」
「広田鮎佳です」
「ほな、あゆちゃんな!
待っとるからな!」
そういい残して愛さんはどっかに行ってしまった。