「アレーンッ!!」
──…華麗で凛とした筈の、女性の透き通った声。
それが聞こえると同時に視界に入る、真っ白な長い髪。
「会いたかったですわー!」
「…一ヶ月前に会いましたよね」
抱き着いてきた女性――サリルナ=ルクシム=ラ=エリスティンに、アレンはクールにそれだけ言ってのけた。
あれから会談の為に城の上階へ移動したアレン達。
彼等を待ち受けていたのがこの白い女性とその側近の女性だ。
そう、今日の会談はリシェラルク皇国のサリルナ教皇様とその他の国の方とのもの。
「あら!子供にはいつだって会いたいものですわ」
「俺は貴女の子供じゃないですよ」
「今は私が母親代わりなのです!ナティアにはなれませんが、私は貴方を息子同然に見ていますのよ」
「わかりましたから離れて下さい」
「…最近教皇様のキャラが壊れてる気がするわ」
「気が合いますね、俺もですよ」
アレンと教皇の様子を見ていたレイとマケドニスは、横に並びながら二人揃ってうんうん頷いた。