「それなら心配いらぬよ。掃除やそのルシイル君の世話をするといい」
メディンはそう言い微笑むと、ルシイルを眺め目を細めた。
この老人は誰に対しても親心を持つ。
「さっきヴァンヌとデスティンが来てのう。その子の話を聞いたのじゃ」
そう話すリディンは嬉しそうに赤ん坊を見る。
友達の子供ということもあって余計可愛いのだろう。
ヴァンヌとデスティンは見た目は違うものの、メディンとリディンと同年代なのだ。
「ユーリ君になついとるみたいじゃし、ルシイル君もおいでなされ」
メディンもさりげなくそんな提案を出してにっこりと穏やかに笑った。
ユーリはだんだん事の意味がわかって来たのか、爛々と目を輝かせている。
「…でも…、いいんですか?メディンさん」
「あぁ、構わぬよ。むしろこっちが頼みたいくらいかの」
「賑やかなのも楽しいしの」
アレンの戸惑いがちな問いにあっさりと答え、メディンもリディンもケラケラと愉快に笑い出した。
話についていけないレイ達は、黙ってそれを見てるだけ。