「何じゃ皆して騒ぎおって。よかろうに、なあリディン?」


「そうじゃのう、また孫が増えたわい。私は嬉しいし大歓迎じゃよ」


メディンとリディンの兄妹は暢気に微笑みながら会話しはじめた。


…この二人だけ違う世界にいる気がするのは気のせいだろうか。



「アレンにレイちゃん、ギルク君にイルちゃん。ユーリ君も入って…孫に囲まれて幸せじゃな」


「ユーリ君が住むなら私ももう少しメディンのところにお邪魔しようかの」


「毎日行き来しとるじゃないか」



 ……会話に入れない。



その場にいたアレン達は揃って心の中で思った。


もう二人の間ではユーリが居候するのは決定しているらしい。




「あ、あの…」


当の本人は未だに状況を飲み込めていないらしく、狼狽えながら老人二人に声をかけた。


話に熱中していたメディンとリディンは、二人同じ動きでユーリを振り返る。



さすが兄妹、といったところか。




「何じゃ?」


「俺、居候だけじゃ嫌だよ。働きたいんだもん…」


少し面食らいながらも、ユーリはそう言って遠慮がちに二人を見上げた。


腕の中のルシイルが不思議そうな顔をしながらユーリの頬に手を伸ばす。