「……相変わらずじゃのう」


静まり返ったその場に、ふと別の声が飛び込んで来た。


医務室の開かれた扉のところにメディンとリディンが並んで立っている。



いつのまに、と呟くマケドニスににこりと笑いかけ、老人二人はアレンとユーリ、それからルシイルに歩み寄った。



「…アレン、お主また仕事を増やす気かの?修行と今の分で手一杯じゃろう」


「……でも…」


そう言って言葉を発しようとしたアレンだったが、メディンに真っ直ぐ見つめられ何も言えなくなる。



──…それでも、何とかしてやりたい。



その気持ちが伝わったのか、メディンは優しく目を細めた。




「全く、そういうところもウィスカ様そっくりじゃのう」


「…………………。」


「ユーリ君とやら」


「はいっ!?」



いきなり知らないおじいさんに話しかけられ、涙目なまま驚いて声を上擦らせたユーリ。


そんな彼に笑いかけ、メディンはこんなことを言い出した。






「わしのところで暮らしなさい」






 ──……………………。




長い、永い沈黙。




やがて…




「「……えぇええぇ!?」」




…ぴったりと綺麗に合わさった、マケドニスとクナル夫婦の驚いた声がその場に響いた。



アレンもレイも目を丸くしてメディンを見下ろす。