「ルー?」
「………」
「よしよーし、ルー。大丈夫だよー、ママはお出かけしてるんだよー」
「……ママ?」
「うん、ママはルーにまた会うために頑張ってんの!」
「………ママ、パパ」
「パパもおんなじだよ。その代わり俺がずっと一緒にいてやる!
だから、ルーもちょっと頑張ろうねー」
──…コクン。
ユーリの言葉を理解したのかはわからないが、ルシイルは小さくその金色の頭を縦に振った。
唖然とするアレン達が見守るなか、ユーリはレイから赤ん坊を受け取る。
そして、自分にしがみつくその子を見てまたまたニヤリと笑った。
「……成功~♪やったね、俺天才!」
「…………………。」
「あっはっはー、俺の神業になんも言えない?」
…何やら調子に乗り出す予感。
これ以上鬱陶しくなる前に、アレンはポカッと軽くど突いておいた。
その意味がわからない少年は憤慨の表情を浮かべ勇者を下から睨み見る。
…はっきり言って全く怖くない。