「…マケドニス」
「無理ですね」
「まだ何も言ってない」
「無理ですね」
「…死ね」
──…結局こうなる始末だ。
わかっていたレイとクナルは呆れて何も言えなかった。
リルとユーリだけは場に合わずきゃっきゃと大爆笑しているが、アレンはそこは無視しておく。
「ったく…めんどくさいな」
「ぅうっ…」
「アレン、負のオーラ出さないでちょうだい。ルシイルがまた大泣きするわよ」
そう言われて更にふて腐れたアレンは、ついに考えるのをやめてしまった。
時計をちらりと見てまだ少し時間があるのを確認すると、一つ溜め息を吐き出す。
「アレン様困ったね~」
「…うるっせぇな。お前はいつまでここにいんだよ」
「いいじゃ~ん。それに俺も役に立つよ?」
無謀にも不機嫌なアレンに話しかけたユーリ。
彼はにやりと笑ってレイに抱かれるルシイルに近付いて行った。
それをクナルらは不思議そうに見つめる。
「…おいユーリ」
「いいからいいから。まぁ見てろって!」
制止しかけたアレンの言葉を遮り、ユーリはまた笑ってルシイルを見下ろした。
逆に赤ん坊は不安そうに見上げる。