「…お、起きた!」


慌ててベッドに身を乗り出すアレン。

レイやマケドニス、隠れていたユーリまでもがそこにピッタリ張り付いた。


一人リルを抱いてその光景を眺めるクナルは、笑いそうになるのを懸命に耐える。



「うぎゃあぁああん」

「…え、泣き止まない。マケドニス、これどうすんの」

「これって。これってその言い種はないでしょう」

「いいから早く何とかしろ!」


そんなやり取りを続けるアレンとマケドニス。


仮にも国のトップが赤ん坊ごときにこんなにも取り乱していいものなのか。


というか早く泣き止ませてほしい、というのがレイの心情。


滅多に取り乱したりしないアレンの様子にちょっと面白くもなってたり。



「アレン君、言い合いなんてしてないで何とかしなきゃ駄目でしょう。

とりあえず抱いてあげてみなさい」


クナルが呆れて言うと、アレンはハッとしたのかすぐに頭を振りルシイルに向き直った。



泣き続ける赤ん坊にそっと手を伸ばし、緊張した面持ちで腕に抱く。