「いや、駄目だ。勇者になったアレンの勇姿が見られないじゃねーか」

「親馬鹿か!」

「だって俺が着てたやつを着るんだろ?写真撮らないと」

「運動会のお父さんかお前は…」


呆れたようにウィスカを見るルティ。

この大真面目に親馬鹿を発揮する、どこか抜けた感じ。


これがまさしくルティの知るウィスカだ。

凄いやつなのに面白い、小さい頃からの親友。



「なあ、アレン大きくなってたなー」

「そりゃあ19だしな。あいつも凄いぜ!」

「俺とナティアの愛息子だからな。当然だ!」


ウィスカは何故か自信満々に言う。

ヤンキー座りなんぞしている青年とおっさんの組み合わせは、はたから見たらかなり怪しいだろう。

しかしそんなことは気にせず、嬉しそうにはにかんでいたウィスカは少しテンションを戻すとルティに少し引っ掛かったことを投げかけた。



「アレンかなり大人びてたな。男子の成長ってそんなもんか?」

「…お前を見ろお前を。もしそうならお前はもっと落ち着いてるだろうよ」

「…返答がルティじゃない」

「はっはっは、俺も大人に進化したのさぁ!」

「成長じゃなくて?」