「俺まだお城見たい~」

「ワガママ言わないの。アレン君達はこれから食事会とかあって忙しいのよ?」

「一人で見てるよ!」

「駄目だ」


クナルに言われても食い下がるユーリに、アレンが短く鋭く言った。


ユーリはぷくっと口を膨らませると彼を睨む。



「何でだよー!強いからって調子乗んな!!」

「俺がいつ調子に乗ったってんだ。
城は食事会中は閉鎖だから駄目だっつってんだろ」

「知らないね!」

「お前が調子乗んな」


本当にワガママなユーリに、アレンは一睨み効かせバシリと言い捨てた。


睨みで怖じ気付いたのかユーリは少し縮こまる。




「じゃあそろそろ行きましょう、アレン様にレイ様。
結構タイムロスしましたし」


大人しくなったユーリを見て安心したのか、マケドニスはそうアレン達に声をかけるとニッコリと笑顔を見せた。


頷いたアレンとレイは、医務室から出ようと扉に手をかける。



廊下に二人揃って出た時だった。








「……アレンっ!!」








──…自分を呼ぶ切羽詰まった女性の声。



それが聞こえたと思ったら、何かが物凄い勢いで飛び付いて来た。




アレンは少しよろけるものの、何とかコケることは防ぐ。