「え?レイちゃんが…??」
エフィア家宅、リビング。
ここにやって来た理由となることの原因を即座に話すと、アンナは信じられないという顔をしてアレンらを見た。
勇者は彼女と家の中にいたローレムの目を見て頷く。
ちなみにルルアンは追い出され、隣の部屋でルルと拗ねていた。
「レイ様を取り戻すには金紅石が必要なんです。でもそれを手に入れるには過去に行くしかなくて…」
「それで私達に力を貸してほしい、と」
マケドニスの言葉を引き継いだローレムが、少しばかり苦々しく言う。
確かに言ってしまえば私利私欲。
その為に自分たちの力を利用されるのだから、それも仕方がない。
「よくないことだっていうのはわかってます。でも俺は…」
「レイちゃんを助けたいのよね」
アンナが言い、アレンはまた頷いた。
エルフの夫婦は顔を見合わせると揃って苦笑する。
「まさか20年越しに約束を果たすことになるとはな」
「そうね。ふふ」
ローレムの方はまだ少し納得がいかなさそうだが、アンナは何故か少し喜んでいた。
皆が不思議がる中、ルティだけは夫婦と同じく苦笑い。
アレンがどういう意味だと目で訊けば、海賊王の変わりにアンナが口を開いた。