「あれねぇ、持ってると天使に見つかっちゃうから…」

「…から?」


…何となく、この先が読める気がする。


アレンは嫌な予感を振り払って金色を見つめ続けた。

言いにくそうにしたヴァンヌは目を逸らしてからてへっと笑う。


「海に投げ捨てちゃった!」

「…………………。」

「あは、ごめんなさいねー…って、ちょちょちょ待って待ってアレン!」


フォークを投げつけようとした青年に冷や汗。

一生懸命彼を宥め、何とか自分の身を守ってからヴァンヌは苦笑いした。


「ほんとに私、持ってないの。ごめんね」

「……いや…ごめん」


珍しく目に見えて落ち込んでいるアレン。

その様子にただ事ではないと察したヴァンヌは、申し訳なさそうに眉を下げる。


「ごめんね…ルー預かってもらったりして、私達の方は凄くお世話になってるのに」

「それは別に…」

「レヴィオルにあるんじゃないか?」


ふと今まで無言だったデスティンが口を出した。

その内容に、アレンはきょとんとしてから眉を潜める。


「城は探した。けど…」

「お前の家は?」

「? …家??」


彼の言わんとすることがわからず、更に眉根を寄せる勇者。

デスティンはアレンを真っ直ぐ見ながら頷く。