「はいっ、終わりよ。もう動いてもいいわ」
そのクナルの一声と共に、ユーリの手当てが終わった。
ユーリは涙目になりながら頷く。
消毒液が染みるとあまりにも暴れるもんだから、やっぱり薬品で脅されていたのだ。
可哀想に思うレイとマケドニスだったが、二人も脅される可能性があった為何も言えなかった。
ちなみにアレンは──…
「きゃっきゃっ」
「………痛い引っ張るな」
「きゃはははははは」
──…ユーリが騒いだせいでまた起きたリルの相手。
それを不本意ながらも渋々していた。
リルはアレンが大好きらしく、彼を見つけては飛び付き擦り寄る。
最初にそれをしたのを見た時、イルがリルを面食いだと言ったことは間違っていなかった。
その証拠に、アレンやギルク、それから自分のパパになつきまくりなリル。
彼女はもうおっさんなルティやオージャスには毛ほども反応しない。