「ユーリ。すまなかったな」

「ううん…会えてよかったや」


それまで見守るだけだった皇帝が、はじめて息子に声をかけた。

答えたユーリに微笑み、頭を撫でる。

その父親の大きな手もこの状況も思春期真っ盛りのユーリには少し恥ずかしかったが、構わず少年は素直に喜んだ。


「俺しあわせ~」

「ふふ、よかった」


こちらも滅多にないほど素直に笑う后妃。

どうやら少年の性格はこちらに似ているらしい。

ユーリは母親から体を離し、嬉しそうにニカッと歯を見せた。


「アレンとかメディンじいに感謝しないとなあ!」

「メディンじい?」

「おう!今一緒に暮らしてるじいさん!」


聞き返した母に元気よく教えるユーリ。

彼はそのまま今まであったこと、今の状況などを両親に話した。


うんうん頷いてくれる皇帝と后妃。

こうやって、自分のことをたくさん話せる親がいる。



ユーリは幸せを噛み締めながら、親子共々始終満面の笑みを浮かべていた。