「へ？アレンとマケドニスはぁ??」

「…俺はこの後も寄るところあるから」


マケドニスには着いてきてもらう、そう言うアレンにイルはかなり不満げな表情を浮かべた。

きっと自分は何で連れていってくれないんだとかそんなところだろう。

逆にマケドニスは誇らしげに「そうだったのか」と頷いた。

それを見上げるルネは呆れたような顔だったとか。


「とりあえずルネ、行こう。皇帝、親子水入らずでよく話してやって下さい」


まだ抱擁しあったままの二人を一瞥し、アレンはシンク皇帝に言った。

頷いた皇帝は優しく微笑む。


「君がいないとユーリを見つけられなかったよ。本当に感謝する」

「…よかったです」


少し表情を和らげそれだけ返したアレンは、ルネを連れてその場を去る。

それを見送ったユーリは、へへっと笑って母親の首に腕を回した。


「アレンが笑ってた」

「…そうじゃな」


確かめるようにギュッと腕に力を入れた后妃。

マケドニスが気を効かせ、イルとルティを連れ別室に向かった。


部屋には親子三人のみとなる。