ユーリらと別れ、廊下を歩く。

あの後レイの執務室に行ったが、彼女は見当たらなかった。


今日は特に城を出る予定もないと朝聞いていたので、どこかにはいる筈。

が、さすがに城内を探すとなると骨を折ることになりそうだ。



(位置断定…いやでもむやみに魔法は使うなってメディンさんに怒られるか)


あの師匠は怒るとめちゃくちゃ恐い。

思い出して少々苦い顔をし、アレンは溜め息をついた。



「……先にユーリの方調べるか」


もしかしたらレイは買い物にでも出掛けたのかもしれない。

自分も仕事があるが、幸い会議は今日はもうないし。



(今日の夜に部屋で言おう)


その方が二人っきりになれる可能性は高い。



そうと決まれば、とアレンは方向転換して図書室に向かった。


あそこには大量に本がある。

その最奥には勇者しか見れない物も。



(調べて確認してから手紙を出して…、)


考え込みながら歩くアレン。


いつの間にか階段も無意識に降りていたのか、図書室に着いていた。

多少自分に驚きながら中に足を踏み入れる。