嬉しそうに笑うユーリ。

更に悪戯っぽく笑みを広げると、ユーリは至近距離にあるアレンの頬をつまんだ。



(──…あ…)



その笑みに、悪戯に細められた瞳に。


重なった。


記憶の中の、橙色の瞳の人物。




──…まさか…?






「なあ、違う国に俺の親いんのかなあ??」


頬をつねられても怒らないアレンにいい気になったのか、ユーリは彼の頭をぺしぺし叩きながら訊ねた。

放心していたアレンはハッと我に返る。


「…………、…心当たりは、ある」

「ほ、本当!?」

「あぁ。…今度調べとく」


もしそうならかなり一大事。

何故こいつがこんなところにいるんだ、という話になる。


立ち上がったアレンはユーリの頭を撫で、今度はその少年全体を見つめた。

しかしユーリは嬉しさに気付かず、興奮したのか頬を上気させアレンの手を握って揺らす。



「わあ、わあ…っ!あ、ありがとうアレン!」

「…お前でも素直に礼言えるんだな」

「う、うるさいっ」


目を細めて微笑したアレンに、ユーリは真っ赤になって口を尖らせた。

それを見下ろしてアレンはアデルを見る。


何かを訴えるその強い視線に、力強く頷いてやった。