「…………………。」

「…………………。」

「「…………………。」」


…気まずい静寂。


固まったアレンにマケドニスは気の毒そうな表情をした。

訳がわからないギルクやルティ、コニスやシリティーは二人を見やりながら首を傾げる。



「………嘘だろ…」

「……嘘じゃありません」


残念そうに、けれどしっかり否定したマケドニス。

あまりの事態に一瞬目の前が真っ暗になった気がする。


きょとんとしている他四人を放置し、アレンは立ち上がると扉に向け走り出した。


おっかなびっくりギルクは慌てて声をかける。


「アレン!?どこ行くんだぁ!?」

「レイんとこ!」

「え?え?なんで??」


疑問符だらけのその場を側近に任せ、アレンはそのまま王の間を飛び出した。

さっき庭園でこっちに向かって歩いていたから、おそらくもう彼女は城内にいる。



(俺の馬鹿っ…)


周りがどんどん結婚していって、きっと彼女もそれなりにそのことを意識していた筈。

それなのにプロポーズするつもりだった、よりによって彼女の誕生日に拉致されてしまった。


更には指輪を意図せずだとしても見られてしまったという失態。