「俺が戻ったしもう大丈夫かな…」

「そうですね。アレン様が帰って来るまで、レイ様全然笑いませんでしたよ」

「………そっか」


自分の失態で、と珍しく落ち込むアレン。

しかしもう終わったこと。


仕方がないと割り切ったアレンは、次に聞きたかったことを思い出した。

が、少し訊くのを躊躇う。



「? アレン様?」

「……えっと…、あのさ…」

「?」


何ですか、とアレンの様子にわざわざ訊いてきてくれるマケドニス。

アレンはやっぱりやめようかと思ったが、大事なことなので結局訊ねてみることにした。



「………俺がいなくなった森に、…何か落ちてなかったか?」

「…………………。」


無言。


(………え?)


逸らした。

こいつ確実に目逸らした。


気まずそうな側近に勇者は若干焦る。

…嫌な予感がする。



「あの…あのですね…」

「…………………。」

「アレン様の血があったところで…、その…白い箱が」

「………誰が拾った?」


まさか、と思いながらもアレンは勇気を出して訊いた。

マケドニスは冷や汗をかいてまた視線を勇者から外す。





「…………レイ様です…」