「教皇がくれた」


一言そう言ったアレンは、仕方ないので甘くしすぎたミルクティーをまた一口飲む。

短すぎる説明に、周りの三人は訳がわからないようだ。


「くれた?」

「ラレスカの入口に落ちてたからって」

「レヴィオル製だよな。誰かラレスカに入ろうとしたってことか?」

「多分」

「それで呼び出しを…」


納得したように短剣を眺めるマケドニス。

ギルクにルティも、じっとそれを見つめた。


男三人が揃って同じものを凝視していて、…なんだか気持ち悪い。



「なーんか見たことある気がすんだよなぁ…」

「ルティ様見覚えあるんですか?」

「あぁ、なんとなく!闘ったときかな?でも違う気が…」

「…根拠ねーな」


頬杖をついたアレンは胡散臭そうな視線をルティに向けた。

首を捻って不思議がる海賊王。


どっちにしろ今は生産されていない型なので、見たのは少なくとも10年は前のことだろう。

それならよく覚えていないのも当然のこと。



「…まぁわかったら言って」

「おう!あー嫌だな、こういうの気持ち悪くないか?」

「あの思い出せない感じだよな!」



(…さっきのお前らのが気持ち悪かったけどな)


内心酷いことを考えながらぼんやり窓を見るアレン。

そうしていると、ちょうどマリアンヌが召集をかけた二人を連れてきた。