「お前らもマリアンヌを見習え」
相変わらず見ていてハラハラする暇つぶしをしている勇者。
ギルクは宙に舞う短剣がいつこちらに飛んでくるかわからないので、それを凝視して警戒しながら彼の言葉に答えた。
「マリアンヌも仕事んときは完璧だけどよ、私生活半端ないぜ」
「…なんでお前がマリアンヌの私生活知ってんだ」
「リルムが言ってた」
なるほど。
納得したアレンは短剣を投げる手をピタリと止める。
ギルクがホッとしたのが側近にはよくわかった。
「なあアレン」
「……ん?」
紅茶に気分でミルクとシロップを入れてみた勇者に、海賊王が声をかける。
そのいつもはない真剣な顔に、アレンは少なからず驚かされた。
今はそんな顔をするタイミングなのか。
「その短剣、最近ずっと持ってるよな。何なんだ?」
──…コクリ。
ミルクティーを飲んだアレンは、「……甘っ」と後悔してからルティを見てきょとんとした。
確かに、と頷いているギルクとマケドニス。
「……言わなかったっけ」
「言わなかった」
「ふーん…」
ふーんって、お前が忘れてたんだろ。
ツッコみたいがこの数年で学習したギルクは我慢する。
そんなこと言ってみろ、無言でまた話題のあれを投げ付けられる。
相変わらず見ていてハラハラする暇つぶしをしている勇者。
ギルクは宙に舞う短剣がいつこちらに飛んでくるかわからないので、それを凝視して警戒しながら彼の言葉に答えた。
「マリアンヌも仕事んときは完璧だけどよ、私生活半端ないぜ」
「…なんでお前がマリアンヌの私生活知ってんだ」
「リルムが言ってた」
なるほど。
納得したアレンは短剣を投げる手をピタリと止める。
ギルクがホッとしたのが側近にはよくわかった。
「なあアレン」
「……ん?」
紅茶に気分でミルクとシロップを入れてみた勇者に、海賊王が声をかける。
そのいつもはない真剣な顔に、アレンは少なからず驚かされた。
今はそんな顔をするタイミングなのか。
「その短剣、最近ずっと持ってるよな。何なんだ?」
──…コクリ。
ミルクティーを飲んだアレンは、「……甘っ」と後悔してからルティを見てきょとんとした。
確かに、と頷いているギルクとマケドニス。
「……言わなかったっけ」
「言わなかった」
「ふーん…」
ふーんって、お前が忘れてたんだろ。
ツッコみたいがこの数年で学習したギルクは我慢する。
そんなこと言ってみろ、無言でまた話題のあれを投げ付けられる。