「今から、ちょっと会議だから。外してくんない」


側近を放り投げて腰を降ろした勇者。

そんな彼をポカンと見ていたハルアは、ハッとして頷くと「行くわよ」とみんなを誘導した。


ぞろぞろと出ていくメンバーを眺めていたアレンは、ふとあることに気付く。



「…………………。」

「げほっ、おぇ、…アレン様?」

「……マケドニス、あれ」


アレンが指差した先には、ひょこひょこくすんだ金髪を揺らすユーリ。

促されるままに見てみると、なんとアデルと手を繋いでいる。


マケドニスは何故自分が咳き込んでいたかなんて忘れ、まじまじとそれを見つめた。



「……お早い青春で」

「……アデル、喋んないのにな」

「どうやって打ち解けたんでしょうか…」


でも微笑ましいですね、そう言って振り返れば僅かながらに頷いた主人。

その目が柔らかいことに気付き、マケドニスは自分まで温かい気持ちになった。



そんな感じに久しぶりにほのぼのしていたのだが、


…ダダダダダと何やら穏やかでない地響きが。




「…………………。」

「……来ましたね」


廊下を猛ダッシュしているであろう会議の相手を思い浮かべ、アレンは溜め息をつく。


そうしているうちにやっぱり来たらしく、バーン!と扉が吹っ飛んだ。




…開いた、のではなく、吹っ飛んだ。