そんなハルアを見かね、アレンは助け船を出してやった。


「彼女はハルアと言って、俺の親戚です」


「…確かに瞳が同じじゃな」


興味深そうに見つめる后妃に、ハルアは緊張しながらもまた頭を下げた。


后妃はそれからアレンに目を移すと、当然疑問に思うであろうことを訊ねてくる。



「それで、何故いきなりここに?夫に会いたいのなら予定をとれたというのに」


その言葉に勇者はぱちくりと瞬きした。


それから言葉の意味を理解したのか「あ、」と呟くと后妃を見て口を開く。



「…ちょっと、緊急で」


すみません、と謝罪してアレンはちらりと時計を見た。


時間的には迷惑ではないが、急に訪れたのだからもちろん驚くだろう。



「色々あって。少し、力を借りたいんです」


「ほぅ?言うてみろ」



后妃は何処か楽しそうに目を細めた。


そこでアレンは何か変だと気付き、密かに眉を潜める。



変だし、…后妃の今の表情を知っている気がする。



不思議に思いながらも事情を話そうと、唇を動かしたときだった。






「……っアレン君!!」