「……気になるの?」


不意に前を歩いていたグロアが、振り返って訊いてきた。


何がかわからないアレンはまだ少し赤いまま「え?」と聞き返す。



「…争いの、その魔力よっ。行って確かめたい?」


「………………………。」


図星を突かれアレンは黙り込んでしまった。



…そりゃ気になる。


アルヴェイン国は魔導師大国だから、精霊士はいない。


実際にそれがいるのはレヴィオル国だけなのだ。



それに、一番強く感じるのは精霊士の力だが、他にも違う魔力がいくつかある。


まさかのまさか、…な可能性は低くはない。



「…確かめたい、けど。…まずお前らをどうにかしなきゃ」


「…どうやってどうにかするつもり?」


グロアと手を繋ぎ歩いていたルネが、こちらも振り返ってアレンを見据えた。


説明するのはめんどくさい、と思っていたアレンはあからさまに嫌な顔をする。


しかし他の脱獄衆にもガン見され、仕方なく溜め息をついて話すことにした。



「…お前らには首都を出る直前のところで待ってもらって、…皇居に行こうと思ってた」


「…はい?」


「皇居、え?」と目を白黒させる集団。


だから嫌だったんだとアレンは内心毒づいた。