………………………。
「セイレイシ?」
しばらく間を空け、レノディアはこてんと首を傾げて繰り返した。
正直男がそんなことをしても全く可愛くないというかむしろ気持ち悪い。
「…レヴィオルでは普通なんだけど。多分、他国には全然いない。精霊を召喚して戦う魔法使いだ」
「召喚!格好いいね」
「…格好いい、てか綺麗だ」
戦う時のレイを思い出し、アレンは無意識にそう呟いていた。
戦闘時の淡い光に包まれた彼女は、強く、綺麗で美しい。
「…精霊士に、大切な人がいるんだね?」
「…え?」
また目を伏せていたアレンは、青年に言われ彼を見上げた。
驚くほど穏やかな顔をしたレノディアに少し面食らう。
「…今すごく、優しい目をしてた」
そして、その言葉にもかなり驚いた。
急に真っ赤になって少し目を見張る。
「あ、その反応だと彼女?いいなぁ。アレン君モテるだろ」
「え、あ、……モテない」
「嘘ばっかり。それとも気付かないくらい彼女しか見えてないとか?」
「………っは!?」
思わずちょっと強く声をあげてしまった。
こんなからかわれ方、慣れていない。
ギルクやマケドニスみたいなのだったら軽く毒舌でかわすのだが。