「首都…?それなら…」


そう呟くなり口元に手をやり思案顔になったアレンを、周りの人々は不安そうに見つめていた。


自分達も何か出来ればいいのだが、

…何しろずっとあの地下牢にいたので地上のことはよくわからない。



「…あのさ、お前らちょっとだけ──…!」



アレンがまた指示を出そうとした時だった。


──…遠くから、爆発音。


反射的にそちらを見たアレンにグロアは苦笑する。



「これ、いつものことだよっ?この先にちょっと開けたとこがあって、そこで悪魔と天使はいつも争ってるの」


「…アルヴェインの、首都の中なのに?」


「うん。あそこなら広いし首都には危害は及ばないから、邪魔はされないって大人が言ってた」


「………………………。」



──…でも、今のは“爆発”音。



こんな森の中でそんなことして、火事になるとは考えないのだろうか。




「…そ、っか。まあ、今はいい。まずこの場から離れないと…」


いつ悪魔らが扉を開けて追ってくるかわからない。


音を聴いた限りだと大丈夫そうだが、争いが終われば天使と戦っていた奴らも戻ってくる。