それから黒い空間の中の灰色の廊下を進む。


しばらくすると前方にまた大きな扉が現れ、アレンは迷うことなくそれを押して開いた。


隙間から溢れていく光に、後ろに続く脱獄衆達は目を細める。




「こんなとこに繋がってたのかぁ…」


外に出た途端にジゼルが呟いた。


そこは木々が生い茂る、鬱蒼とした広い森。


最後尾にいたハルアが出てきたのを確認すると、グロアが先程と同じようにして扉の存在を消した。



また集団で固まって、全員がアレンに視線を集める。




「で、ここまでしか聞いてないけど。どうすんのよ?」


「…一旦俺の国に帰る。お前らが住むところなら手配出来るから」


「手配って…」


あんたみたいな若造に何が出来るのよ、とハルアは呆れたように眉を潜めた。


そんな彼女は無視して、アレンは周囲を見渡す。



「…グロア」


「ん?なあに??」


「ここはアルヴェインだよな?」


「うんっ。アルヴェインの首都の中の森」


呼ばれた悪魔の少女はまたまた満面の笑みで青年に駆け寄る。


しっかりと天使の少女の手を、握って。