「…グロアは道案内頼むな」
「うんっ」
任せてっ!と敬礼し、悪魔の少女はニッコリ可愛らしく笑った。
それを見たジゼルが微かに目を見張って頬を染める。
しかし鈍感アレンがそれに気付く筈もなく、彼は愛用の剣を鞘から抜くとニヤリと笑った。
美形の笑みは格好いい、のだが──これはとてつもなく黒い。
「…行くぞ。集団脱走だ」
黒アレン様はそう囁き、床に伏せた看守を跨いで歩き出す。
囚人達──もとい脱獄衆は恐ろしい、と震えると同時に頼もしいなぁとそれにぞろぞろと着いていったのだった。
そして、数十分後。
作戦は案外すんなりと成功した。
途中何人か悪魔に出くわしたが、その度報告なんぞをされる前にアレンが伸してしまう。
多分今頃黒い絨毯には、たんこぶを作って気絶している悪魔が埋もれているだろう。
「…ここよっ!」
結局走ることなく無事全員城の出口に辿り着いた。
グロアによると出口は城から直接外の国──アルヴェイン国に繋がる特別な扉らしい。
しかしそんなものはなく、目の前に広がるのはただの壁のみ。
「うんっ」
任せてっ!と敬礼し、悪魔の少女はニッコリ可愛らしく笑った。
それを見たジゼルが微かに目を見張って頬を染める。
しかし鈍感アレンがそれに気付く筈もなく、彼は愛用の剣を鞘から抜くとニヤリと笑った。
美形の笑みは格好いい、のだが──これはとてつもなく黒い。
「…行くぞ。集団脱走だ」
黒アレン様はそう囁き、床に伏せた看守を跨いで歩き出す。
囚人達──もとい脱獄衆は恐ろしい、と震えると同時に頼もしいなぁとそれにぞろぞろと着いていったのだった。
そして、数十分後。
作戦は案外すんなりと成功した。
途中何人か悪魔に出くわしたが、その度報告なんぞをされる前にアレンが伸してしまう。
多分今頃黒い絨毯には、たんこぶを作って気絶している悪魔が埋もれているだろう。
「…ここよっ!」
結局走ることなく無事全員城の出口に辿り着いた。
グロアによると出口は城から直接外の国──アルヴェイン国に繋がる特別な扉らしい。
しかしそんなものはなく、目の前に広がるのはただの壁のみ。