「…俺がグロアから聞いたのは、こんなだったけど…。合ってるか?」
「ここの見取図よね?完璧よっ!すごい記憶力ね、さすがアレン!」
(…お前は俺の何を知ってるんだ)
こんな簡単すぎる図なんかすぐ覚えられるだろ、とアレンは溜め息をつく。
大体レヴィオルの勇者の城はもっと複雑だしもっとでかい。
「最初は看守とかに気付かれないようにそっと行って…、こっから一気に走る」
アレンは唯一の出入口だという扉へと続く階段を指差した。
それを見たエレス族の双子の兄、ジゼルが眉を潜める。
「なんでだよ。そんなスレスレのとこで走ってもそれまでに気付かれるだろ?最初っから走ってこーぜ」
「…長い間牢屋にいたお前らにそんな体力はないだろ」
「……あ、そか…」
残念そうに呟き、ジゼルは大人しくなった。
その横にピッタリ貼り付いている妹、アデルはアレンが来てから一言も話していない。
無表情なところはジゼルより、アレンの隣に正座しているルネの方に似ていた。
そのルネは見取図を見ながらじっとして動かない。
「ここの見取図よね?完璧よっ!すごい記憶力ね、さすがアレン!」
(…お前は俺の何を知ってるんだ)
こんな簡単すぎる図なんかすぐ覚えられるだろ、とアレンは溜め息をつく。
大体レヴィオルの勇者の城はもっと複雑だしもっとでかい。
「最初は看守とかに気付かれないようにそっと行って…、こっから一気に走る」
アレンは唯一の出入口だという扉へと続く階段を指差した。
それを見たエレス族の双子の兄、ジゼルが眉を潜める。
「なんでだよ。そんなスレスレのとこで走ってもそれまでに気付かれるだろ?最初っから走ってこーぜ」
「…長い間牢屋にいたお前らにそんな体力はないだろ」
「……あ、そか…」
残念そうに呟き、ジゼルは大人しくなった。
その横にピッタリ貼り付いている妹、アデルはアレンが来てから一言も話していない。
無表情なところはジゼルより、アレンの隣に正座しているルネの方に似ていた。
そのルネは見取図を見ながらじっとして動かない。