相変わらずなギルクとイルは抱いていた赤ちゃんも寝転がせ、その小さな手を握った。


二人して顔を合わせて笑うと、柔らかく丁寧にぎゅっと自分達の子供を抱き締める。



「お兄ちゃんカイル君と~、妹アリアちゃんと~、パパギルクとママイル!」


「カクブェン一家、な♪うひ~、やべぇ!」


ギルクは愛しい奥さんの横に寝転びバタバタと足を動かした。


双子の赤ちゃん──カイルとアリアが生まれたその日に籍を入れたギルクとイルは、もう完璧に本物の結婚した夫婦。



イルはイル=シーアからイル=カクブェンとなったのだ。






「っはー、生きててよかった」


「ギルクったらそんなことばっかり言って浮っかれっすぎー♪」


「お前のが浮かれてるだろっ、このぉ」



そんなことを言い合いながらまたイチャイチャをはじめた二人。


カイルとアリアは眠そうにしながら両親に抱き締められるがままだ。





そして、そんな一家を開いた扉の隙間から覗く小さな影が一つ。






「……しつれーしまぁす」



痺れを切らしたのかそう言って部屋に突入した勇気ある彼女は、ウリナ=シーア。


7歳になった小さな小さなイルの妹である。




今さらだがここはイルの実家の一室だったり。