占星術の通信が途切れた。
各々すぐに言われた通りに行動しだす。
「本当は、イル様達のことをもっと喜びたいんですけど。
…それどころじゃないですね」
「…そうじゃのう」
そう話すマケドニスとメディンも、準備の為に動き回っている。
勇者アレンを救い出すべく、出来る限りの人間が揃って動き出した。
それをアレン自身は全く知らない。
…知る方法がないのだが。
雨があがり、太陽が出て。
レイ達はルティの船で国に戻り、マケドニスとメディンは森に入って行った。
――…不安を心中に抱えながら、アレンの安否を誰も予測出来ないままに。
そんな中、新たに陰謀が動き出す。
「…みんな!」
城に着いたレイとリディン、ルティとその仲間とリルムやユーリら子供たち。
彼らを迎えたのは、予想外の人物だった。
「…ミュリエル!?」
ルティが驚いて彼女の名を呼ぶ。
呼ばれた彼女は「はーい、そうよぉ」と気のぬけた返事をし、にっこり微笑んだ。
「戻って来たら、アレンが一大事だって聞いて。七帝で集まるのよね、私も手伝うわ!」