『ちょっと待って下さい。
国のことを出されてもしアレンが手伝ったとして、そうしたら天使達が黙っていません。
それくらいアレンはわかりますよ』
シリティーが異議を唱え、ルティを睨む勢いで見据えた。
しかしその勢いも次のマケドニスの言葉に消えてしまう。
「…俺、アレン様に言われて天使と悪魔について調べていたのですが。
そのどちらとも長命なのとかを理由に、人間は自分たちより下等な“モノ”だと考える輩が多いみたいです」
『……………は?』
その勇者の側近の話に眉を吊り上げ、コニスがあり得ないとばかりに顔をしかめた。
そんな彼を見ながら、マケドニスは更に話を続ける。
「もちろんそうじゃない人たちもいます。
けれどその自尊心の強すぎる考えを持つ者は、自らに自信がある人たちばかり。
…要するに、強い者ほどそう思っているワケです。
そんな奴らに人間が捕らえられたら…」
『…………………。』
「……早く助けなければアレンも国も危ない、ってことじゃのう」
呟いたメディンがふとソファーから立ち上がった。
いきなりの行動に驚く皆を尻目に、マケドニスを指差し真剣な表情で話し出す。