「それはだな、エルフにしか出来ないことなんだ。

エルフはちょっと特別な魔力を持ってて…、“時”を操ることができる」


『“時”を…?』


わからない、とでも言いたげにクナルは眉間にシワを寄せる。


そんな彼女に苦笑し、ルティはまた説明をはじめた。



「エルフが密猟される理由がそれなんだ。

代表的なのが“時わたり”。

“時”を操って過去に行ったり未来に行ったりする魔法だ。

俺らがしてもらったのは“時停め”」


『…名前の通りね』


「あぁ、まぁそうだな。エルフは素直だから」



 …それ関係なくね?



とか誰かが思ったかは置いといて。





『…で、誰が犯人かはわかってんの?』


復活したコニスがリルを肩車しながら、逆に笑える真剣な表情で旅行組に訊ねた。



「…大体は」


黙っていたマケドニスが答え、焦りをその顔に滲ませる。



彼の様子にあまりよくない相手だと思ったのか、その場の全員が表情を硬くした。




『……誰、なの?』


クナルが緊張しながらもマケドニスに問う。



しかめっ面の勇者の側近は一つ息を吐き、それから自身らの予測を彼女らに言ってのけた。





「…………悪魔、たち」