「あれはアレンの魔力だよ!わかるもん!

しかも最後のは途中で途切れちゃった!!アレンどうしたの!?」


「しっ、静かにせい!」



ルルアンが半泣きで喚いていると、急に立ち上がったメディンが皆に命令した。


水を打ったように静まり返るリビング。



メディンは杖を取り出すと机を脇に避け、そこを睨むように見つめた。


やがてその場所に光が生まれ、見覚えある三人が現れる。




「レイちゃん!マケドニス君!ルティ!!」



リディンが真っ先に駆け付け、三人の名を呼んだ。


ずぶ濡れの三人にアンナがタオルを渡す。




「マケドニス…どうしたのじゃ?」



ほぼ放心状態でルティに支えられているレイを見やり、メディンが静かに問いかけた。


リディンに抱き締められたレイは猫の精霊を返し、そのまま老人にしがみつきまた泣き出す。





「……アレン様が行方不明になりました。その場の形跡から…恐らく襲われて連れ去られたのだと思われます」




そのマケドニスの静かな報告に、…また誰も喋らなくなる。



身動き一つせず、ただレイの嗚咽だけがリビングに響いていた。