「またよ!今度はアレンの魔力じゃないわ!早く行きましょ!!」
慌てて言うレイに空から視線を戻し、マケドニスもルティも表情を硬くしてそちらに向かった。
やがて視界が開けていき、辿り着いたのは少し広い通り道。
そこの状態を見た途端、レイ達は真っ青になって固まる。
「……血…」
その場所は明らかに戦った形跡を残していた。
いくつもの足跡、地面が擦れた跡、そして血だまり。
それを見た瞬間、一番大きな血だまりがある場所に向かいレイはふらふらと歩いて行った。
マケドニスやルティは茂みにアレンがいないか必死になって捜す。
「アレン…?」
血だまりのそばの地面に触れると、微かに温もりを感じた。
さっきまで、ここにいたのだ。
この、血だまりのところに――…
「……?」
呆然としていると、すぐ近くに小さな白い箱が落ちているのをレイは見つけた。
震える手で拾い上げ、じっと見つめる。
それには保護呪文がかけられていた。
そのおかげか血も砂も全く付いていない。