しばらく走ったレイ達。


休むことなく進んでいると、また大きな魔力を感じた。


ピタリと立ち止まったレイにマケドニスとルティもそれに倣う。



「どうした?レイちゃん」


「…また魔力が」


「! どこからですか?」


「……同じ場所。でも…途中で消えたわ」


「消えた?」


意味がわからなく眉を潜めるマケドニスに、レイは頷いた。



「魔法が途中で途切れたってことよ。…やっぱりおかしいわ」


「早く行かねぇとな」


「……何があったんでしょうか…」



更に不安が強まる中、三人はまた走り出す。


先頭をマケドニスに変え、邪魔な樹の枝を彼が切り落とし進み続けた。



「あっ!あれ…!?」


ふとルティが上を見上げ空を指差す。


他の二人もその指の先を見て、それから唖然として思わず立ち止まった。



――…そこに信じられない光景が、広がっていたから。




「……黒い…群れ…!?」


「…あれは…悪魔?」


「あんなにいっぱい…飛んで…、!」



レイは悪魔の群れから森の入り口方面へ目を向けた。



もう一度、魔力の波紋があったのだ。



しかし今度はアレンの魔力ではない。