一方、イルの部屋を出たアレンとレイは、腕を組みながら廊下を歩く。


「ふふ、明日で貴方が勇者になって二年なのね。なんだか早いわ」


「……そうだな。二年、か…」



呟くように言うと物思いに耽るアレン。


ちらりとサラサラの髪の間から見えた耳には、新しいピアスがついていた。



「…ふふっ」


「…ん?何がおかしいんだよ」


「ううん、おかしいんじゃないの。

それ、つけてくれてるのね」



レイはそう言うとアレンのピアスを指差した。


それはレイが先日の彼の19歳の誕生日にあげたもの。


アレンは耳に触れるとあぁ、と納得する。



「…まぁ…レイがくれたやつだし」


「嬉しいわ。ありがとう♪」


「え?いや礼言うのって俺じゃね??」



意味がわからず首を傾げるアレン。


その隙にレイは背伸びし、彼のその耳に軽いキスをした。



「………っ!」

「…ふふ、アレン、真っ赤よ?」

「…レイも真っ赤」


ちょっと拗ねた表情のアレンは真っ赤なまま真っ赤なレイに言う。


レイは照れ臭そうな笑顔を見せた。