「……そう…。仕方ないわよ。皇国には私も行くし、一緒にはいれるわ」
「……そうだけど…」
そうだけど、せっかく決めていた予定が狂ってしまった。
それは言わないアレンは手を握ってきたレイを見やり、珍しく眉を下げる。
「…ごめん」
「アレンが謝ることじゃないわ。また今度デートしましょう?」
「うん…」
元気がないアレンにレイは苦笑した。
それから軽くキスして微笑む。
案の定アレンは赤くなって立ち尽くした。
「…ふふ、そんなに大事に思ってくれてたのね」
「……まぁ、誕生日だし」
若干照れながら言う勇者。
そんな彼にレイは更ににっこり笑う。
「それだけでも十分嬉しいわ。ありがとう」
「……ん」
華やかな笑顔で礼を言った彼女に、アレンはやっと小さく笑った。
それを見てレイは満足そうに微笑む。
「まだ仕事はあるの?」
「…うん、ある」
「じゃあ一緒にしましょ?」
「わかった」