(……とりあえず言わないとな…)
かなりブルーな気分になりながら立ち上がるアレン。
どうやら先程までの上機嫌が一気に吹き飛んだらしい。
しかめっ面しながら執務室を出て、そのすぐ隣の部屋に行く。
ノックをして返事が来ると、扉を開けて中に入った。
そうして視界に広がったのは、薄い水色と城の基調色の白。
「アレン、どうしたの?」
部屋の持ち主はアレンを認めると可愛らしく小首を傾げ、軽い足取りで走り寄って来た。
そんな姿に癒されながらも、これから言うことにやはり気分が沈んでしまう。
「……レイ…」
「…なぁに?」
アレンの微かな変化に彼が落ち込んでいるのを悟り、呼ばれたレイは眉を下げ心配そうな顔をした。
体調悪いの?という問いを否定し、アレンは口を開く。
「……火曜日、無理になった…。サリルナ教皇が来てほしいって…」
「…………………。」
彼から発せられた言葉にレイの表情までもが曇ってしまった。
――…来週の、火曜日。
その日はレイの誕生日。
アレンが無理矢理休みを取った理由はそれなのだ。
久々に外でデートをするつもりが、…この始末。
しかし仕方がないといえば仕方がない。