『優希ー』


目の前で


ひらひら


サイの手のひらが舞う


『優希がぼぉっとしてる間に』

『終わってますよー』



色々

考えてるうちに


オリエンテーションが終了していた



やばい



きいてなかった



「ごめんー」


「ぼぉっとしてたよぉ」



『みたいだねぇ』



とりあえず

部屋に荷物を置くことになったらしく


みんな荷物を持って

出口に向かっている


「ごめんっ」

「出遅れちゃったね」


体育館に残ってる人もまばらになってしまった


『ま 混んでるのもきついしねぇ』

『ゆっくりでいんぢゃなぁい?』



サイがおおらかな性格でよかった



慌てて荷物をつかみ

立ち上がる



それにしても


重いな


こいつ