私がチェックインを済ませると
俄かにベルが声を荒げる。
「いっ…いらっそいまーすぇ…!!!」
ポルトガル語かよ!と心中呟くが
私はただ黙ってベルの視線の先を見た。
「あ…っ」と私は思わず漏らす(尿じゃないヨ)
フロントも ざわ と気色ばむ。
入り口に立っていたのは
紛れもない、国民的人気アイドルグループ 光SHINZIのメンバー TAROであった。
「…今日はお忍びなんだ…頼むから静かにしてくれ…」
声は極めてハスキーでたち姿すら妙に
セクシーな色香が あった。
「チェックインはどこでやるんだ?」
TAROはずかずかと宿を進み、フロントでチェックインに取りかかる。
名前の欄を淡々と
TAROは埋めていく。
「名前…光SHINZI
TARO IMO っと…
って俺は
たろいもじゃねええぇえええぇええ」
「ばれたか…」
こっそりIMOと書き刻んだ私は
フロントの人に怒られました。